あなたは普段、自分の「体への投資」をどれほどしているでしょうか。身を粉にして働き、仕事以外の時間はグッタリ……などというのは昔の話。今や、常に理想の体調をキープするべく、なんらかのスポーツ・筋トレ・ボディケアなどを施すのが常識になりつつあります。

 

その点で、マラソンやゴルフなどのスポーツ・運動をしている人は非常に多く、究極の心身作りにつなげようとトライアスロンに取り組む人もいらっしゃいます。スポーツジムや自宅で、ウエイトトレーニングを行う人も少なくありません。

 

ところが、「それほど体調がよくならない」「スポーツ・運動のレベルもなかなか向上しない」「思い通りに筋肉がつかない」という人がいるのは、確かな事実。また、現在はスポーツ・運動をしていなくても、「できるだけいい体のコンディションを作りたい」という人も当然いらっしゃいます。

 

そうしたジレンマを抱えた人たちにとって、大いに試す価値のあるメソッドといえるのが、「サボリ筋」という筋肉を効率的にトレーニングすること。

 

理学療法士であり、トップアスリートのコンディショニング・パフォーマンスアップ・リハビリに携わってきた笹川大瑛氏の著書『運動能力が10秒で上がるサボリ筋トレーニング』(KADOKAWA刊)によると、私たちの体の筋肉の中には、持てる力を十分に発揮していない筋肉=「サボリ筋」が存在しているといいます。

 

そのため、このサボリ筋を集中的にトレーニングすることによって、「これまで体感できなかった変化」を実感でき、フィジカル面での多くの疑問や悩みを一気に解消できるというわけです。
主だった具体的な内容をピックアップしていきましょう。

動きが変わるので、“上達の限界”を超えられる!

笹川氏によると、体の中にある1つの関節は2つの筋肉で支えられ、特に6つの重要関節にかかわる12のサボリ筋をトレーニングすることが重要だといいます。
そうしたトレーニングをすると、サボリ筋を鍛えられるのはもちろんのこと、これまでサボってきた筋肉をフォローしてきたために緊張・硬化した筋肉が自動的に緩み、全体的な筋力バランスが整います。

 

おかげで、制限のかかっていた動きに多様性が回復し、これまで以上に速く強い動きを繰り出せるようになる——つまり、未体験のスピード・キレ・伸びなどを獲得してパフォーマンスが大幅に向上、従来感じていた“上達の限界”を超えられるということです。

スポーツ・運動によるケガの予防・改善にも有効

また、関節周りの筋力のアンバランスを解消すると、関節を大きく速く動かせると同時に、カチッと固めて安定させることも可能になります。

 

そのため、正確かつ最大限のパワーをいつでも発揮できると同時に、ケガの予防・改善にも大いに役立ち、パフォーマンス向上のスパイラルは相乗的に上昇していくわけです。

  • - パフォーマンスアップを成し遂げた実例の数々 -
  • 本書の中では、こうしたサボリ筋トレーニングを行った実例が多数紹介されているので、ここにごく一部をお伝えします。
  • 「フルマラソンを3時間48分台で走っていたのが、3時間30分台まで大幅に自己ベストを更新できた」
    (30代・一般女性)
  • 「ドライバーの飛距離が250ヤードから最高320ヤードになり、ドラコンプロのテストに合格した」
    (40代・一般男性)
  • 「特別なウエイトトレーニングなどはせず、40代で自己最高350ヤードのドライバー飛距離を出した」
    (40代・女子プロゴルファー)
  • 「テニスラケットのガットを毎月張り替えないといけないほど、ショットのパワーやスピンのかかり具合が大幅によくなった」
    (50代・一般女性)
  • 「最高で132km/hだったピッチングの球速が、144km/hまでアップした」
    (10代・一般男性)
  • 「100m背泳ぎで自己ベストを1.3秒縮めて、県の新記録を樹立。インターハイに出場できた」
    (10代・一般女性)
  • - パフォーマンスアップを成し遂げた実例の数々 -
  • 本書の中では、こうしたサボリ筋トレーニングを行った実例が多数紹介されているので、ここにごく一部をお伝えします。
  • 「フルマラソンを3時間48分台で走っていたのが、3時間30分台まで大幅に自己ベストを更新できた」
    (30代・一般女性)
  • 「ドライバーの飛距離が250ヤードから最高320ヤードになり、ドラコンプロのテストに合格した」
    (40代・一般男性)
  • 「特別なウエイトトレーニングなどはせず、40代で自己最高350ヤードのドライバー飛距離を出した」
    (40代・女子プロゴルファー)
  • 「テニスラケットのガットを毎月張り替えないといけないほど、ショットのパワーやスピンのかかり具合が大幅によくなった」
    (50代・一般女性)
  • 「最高で132km/hだったピッチングの球速が、144km/hまでアップした」
    (10代・一般男性)
  • 「100m背泳ぎで自己ベストを1.3秒縮めて、県の新記録を樹立。インターハイに出場できた」
    (10代・一般女性)

ほかにも、パフォーマンスアップや、ケガ・故障を克服した事例がいくつも掲載されているため、ぜひ参考にしてみてください。

 

著者は従来、サボリ筋トレーニングの科学的理論を主に高齢者向けの健康分野・リハビリ分野で生かす書籍を記してきました。
しかし今回は、その観点にも適宜触れながら、20〜40代を中心としたいっそう幅広い世代で共有できるプログラムを提示しています。それは、好きなスポーツを長く楽しく続けられる満足感を生み出すとともに、貴重な体への投資、未来の人生への投資というアプローチにもなっているはずです。

(新刊JP編集部)
  • - 腹横筋のトレーニング -
  • 写真は、右側の腹横筋をトレーニングする場合のものです。
  • 右手のひらを外側に向ける
    イスに骨盤を立てて背すじを伸ばして座り、右手のひらを時計回りに回して外側に向ける。
  • 右側のお尻を上げ、肩を下げる
    右側のお尻をイスの座面から上げ(浮かせ)、右肩を下げて、お腹の側面〜背面に力を入れた状態を10秒間キープ。左右を入れ替えて同様にトレーニングする。
  • 書籍情報
  • 運動能力が10秒で上がる サボリ筋トレーニング
  • 体幹やウエイトより効果絶大!
  • 定価:1,400円+税
  • 著者:笹川大瑛著
  • 出版社:KADOKAWA刊
  • ISBN-10:4046051833
  • ISBN-13:978-4046051837
  • 単行本:216ページ
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集中的かつ効率的なトレーニングで予想以上の効果が現れる

- 私たちの体の中で、「サボっている筋肉」とはそんなにあるものなんですか?
笹川

体の筋肉は、すべてがしっかり働いているわけではありません。普段の動作や姿勢のクセ、加齢などの影響で、本来はしっかり働いて機能すべきなのにサボっている筋肉=「サボリ筋」が確かに存在します。

特に注目すべきは、「①肩」「②肩甲骨」「③腰(股関節)」「④手首(指)」「⑤ひざ」「⑥足首」などについて、「対になって支えるべき筋肉」がサボリ筋になってしまった状態です。

そして実は、これら6つの重要関節にかかわる12のサボリ筋は、一般的な筋トレや体幹トレーニングでは鍛えられません。だからこそ、集中的かつ効率的にトレーニングをすると、実践した本人が予想した以上の効果が現れるのです。

ー『運動能力が10秒で上がる サボリ筋トレーニング』という書名ですが、これはトレーニングにかかる時間がわずか10秒ということですか?
笹川

その通りです。1種類のサボリ筋トレーニングにつき、かかる時間は10秒です。

ただ、これほど短時間のトレーニングであっても、実践のポイントを押さえた正しいフォームで行えば、優れた変化がもたらされます。弱くなっているサボリ筋に対し、脳からの指令をピンポイントで送って意識しつつ鍛えることで、生理学的にはこの10秒でトレーニングをしたその場で、運動能力にかかわる筋力が上がっているのです。

ー 具体的なトレーニング法は、どのようなものですか?
笹川

サボリ筋トレーニングの全メソッドは、誰でもすぐに始められるように工夫しています。
例えば、代表的なサボリ筋である「腹横筋」のトレーニングでは、床に寝て行う“通常版”と、イスに座りながらでもできる“アレンジ版”を用意しています(右の写真を参照)。

 

この腹横筋という筋肉は、サボっているケースが非常に多いのですが、腰や体幹の安定には特に重要で、呼吸機能にもかかわっている筋肉です。ですから、トレーニング後には、ゴルフやマラソン、トライアスロンなどで、「動きの違い」が現れやすく、これらに“付きもの”の腰痛の予防・改善なども後押しするのです。

ー ほかにも多種多様なスポーツ・運動への有用性に触れられていて、腰痛や肩・背中のコリなどの不調対策にもなるという内容は印象的でした。
笹川

本書では、「走力」「跳力」「蹴力」「投力」「振力」「泳力」のアップに適したサボリ筋トレーニングを、それぞれ優先順位をつけて2〜3種類ずつご紹介しています。

これらの運動能力アップに働く「関節・筋肉の理想の状態」になるのですから、基本的な動作がスムーズになるうえ、先にお話しした6つの重要関節周りのトラブル解消につながるのも、いわば当然のメカニズムなのです。

また、スポーツ・運動の種類としては、すでにお話ししたゴルフやマラソンのほか、野球、テニス、サッカー、バスケットボール、バレーボールなどのプレー状況に応じたメリットを解説しています。

さらに、全種類のサボリ筋トレーニングを動画で確認できる連動企画を行い、すべてのトレーニングを一連の流れで行う「サーキットトレーニング」も初公開して、誰もが最大のパフォーマンスを発揮できるようにしています。

ですから、ビジネスパーソンであるご本人はもちろん、お子さんがクラブ活動で運動をしているような方なら、親子そろって大いに役立てられる一冊だと思います。

仕事のパフォーマンスも向上する「体への投資」「未来への投資」

ー この本を読んで、体を自在に動かせることの重要性を再認識した気がします。
笹川

従来からある筋トレなどでは叶わなかった「理想のボディコンディション」は、運動能力・スポーツの成績を押し上げるだけでなく、ビジネスシーンでの結果にもつながります。

 

ちょっと考えてみてください。「外回りをしているとすぐに疲れる」「デスクワークをしていても腰や肩が痛くなる」となると、仕事に集中できるでしょうか。つまり、体を動かすことも固定することも自在にできることは、仕事への集中状態をキープすることにつながっているんです。

ー では最後に、このページの読者の方々にメッセージをお願いします。
笹川

自分の体を思い通りに操れるようになると、スポーツでもビジネスでも、チャンスは大きく広がるはずです。ひとことで言えば、「今までとは違った人生」を期待できるということです。

 

そういった意味で、サボリ筋トレーニングは、非常にコストパフォーマンスの高い「体への投資」「未来への投資」になります。ぜひ実践して、充実した毎日を過ごしていただきたいと思っています。

  • BOOK DATA
  • 書籍情報

プロフィール

  • 笹川大瑛(ささかわ・ひろひで)
  • 理学療法士 / 教育学修士 / 剣道六段
  • 日本大学文理学部体育学科卒 / 日本大学大学院(教育学)卒
  • 一般社団法人日本身体運動科学研究所代表理事
  • 動能力の向上やスポーツが上達する方法を科学的に研究する、運動科学の専門家。理学療法士として運動の研究やリハビリに関わってきた豊富な経験から、「関節トレーニング(サボリ筋トレーニング)」を考案。体の動きが劇的に変わると評判を呼び、トップアスリートのパフォーマンス向上にも貢献。ボディコンディショニングなどのセミナーも開講し、全国から理学療法士、スポーツ指導者、柔道整復師などが集まる。これまで指導した生徒の数は500名以上、イタリアやオーストラリアなど海外の生徒にも指導。著書に、『関トレ 関節トレーニングで強いからだを作る』『ひざ・腰・肩の痛みがとれる!関トレ ビジュアル版』(ともに朝日新聞出版)など。

目次

  • 第1章10秒で体が変わる!「サボリ筋トレーニング」実践
  • 第2章「サボリ筋トレーニング」が効くメカニズム
  • 第3章腰のバランスを整え「走力」を高める
  • 第4章しなやかな足首を作り「跳力」を高める
  • 第5章強いひざを手に入れ「蹴力」を高める
  • 第6章肩の筋肉を安定させ「投力」を高める
  • 第7章手首や指を鍛え「振力」を高める
  • 第8章肩甲骨を強化し「泳力」を高める
  • 第9章ベストパフォーマンスの確率をさらに上げる秘訣!
  • 書籍情報
  • 運動能力が10秒で上がる サボリ筋トレーニング
  • 体幹やウエイトより効果絶大!
  • 定価:1,400円+税
  • 著者:笹川大瑛著
  • 出版社:KADOKAWA刊
  • ISBN-10:4046051833
  • ISBN-13:978-4046051837
  • 単行本:216ページ
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